2025年 新年のご挨拶~三体問題
新年おめでとうございます。ネッチ・ジャパンの篠田です。旧年中は大変お世話になりました。本年も宜しくお願い申し上げます。
有難いことに、本年は暦通りで九連休と、まことに長いお休みを頂くことができました。このような場合、友人、家族、身近な方でどこか遠方に旅行される方々と、家か近所で思いっ切りスイッチオフする派に分れると思うのですが、皆さんはどちらだったでしょうか?私は、その中間で、家にいてDIYか、最近覚えたLabVIEWやFusion360、電子工作をいじるか、あとレーザーか物理ですね。これを息子と一緒に、勉強します。大学の指導教員の先生のお言葉で一番印象に残っているのは、「論文を書く義務が無ければ、物理ほど面白いものない」というものです。本当にその通りと最近思います。おそらく私と同い年の方は、大学の数学、物理は忘れておられると思うのですが、私の場合、息子の大学受験、大学、院試まで、一緒に数学、物理を勉強する僥倖に恵まれまして、基礎は大分復習できたと思っています。デジャブの無いところも多かったのですが(笑)
熱測定って、昔から余り変わらないよね、そういう印象を持たれているかも知れませんが、ある意味それは正しいのですが、一方で大きな新しい潮流が起こっています。そういう根本的にかかわる開発には、物理・数学の基礎が必須です。数学と言うと拒否反応を示す、特に化学系の方も多いのですが、マセマから初めてもらうと、解る!といって感動してくれます。
本年は、ネッチ・ジャパンとしては特に新開発に力を入れる年、にする所存でございます。
もう少し、やわらかい話を致しますと、お正月に家族で見ておりました、Netflixの「三体」、これは面白いです。原題は、Three Bodies Problem 、三体問題なのですが、これが中国人作家によるところも驚きでした。言論統制が厳しくなる前だから書けたのかも知れません。ネタバレになるので詳しく書きませんが、物語は、文化大革命時代の中国で、物理学者が大群衆の前で紅衛兵に糾弾されるところから始まります。世の中を観察しておりますと、あのように、正義感をふりかざして他人を糾弾する人って、人の言ったことを捻じ曲げて、しかも仲間を増やそうとする傾向があるように思えます。相手にするのも時間の無駄ですので、心中九字を切って、打ち返しておくにかぎります。(笑)
で、「三体」では近未来と、文革時代の中国が交錯しているのですが、いろんな名作SF映画の影響を受けているのが解ります。原作者は、日本の映画の中で特に影響を受けたのは、「日本沈没」とのこと。ちなみに、筒井康隆原作の「日本以外全部沈没」ってご存知でしょうか?原作はともかく、映画は俳優も下手だし、超駄作です。ネタバレ防止と言っておきながら、想起されるのは、「未知との遭遇」。有名な「ピーポーパーポーピー」という宇宙人からの交信信号です。
参考:スピルバーグ監督 – 約45年前の傑作SF映画の”あのメロディー”
本年は終戦八十周年ですが、太平洋戦争開戦ラジオ放送の効果音とそっくりだと思いました。
両方を同時に立ち上げて聞いていたら、家内より「あなた大丈夫?」と心配されました(笑)
三体、おすすめいたします。
あと、ネトフリでおすすめなのは「DARK」。ドイツのテレビドラマですが、閉鎖を目前に控えた原発があるドイツの田舎町が舞台で、四つの家族の時空間で錯綜した人間関係がみどころです。洞窟で時空が捻じ曲がるというアイデアは、数百年前の日本で成立されたとする甲賀三郎伝説や、豊田有恒氏の「パラレルワールド大戦争」など古くからあるのですが、「DARK」はとにかく人間関係が複雑で、紙に相関図を書いて時々頭を整理しながらドラマを見る必要があるのが面白いところです。主要登場人物のひとりを演じるのは、あの「帰ってきたヒトラー」でヒトラー役を演じたオリバー・マスッチ。総統役とは別の、なかなか味のある演技です。是非、頭の中がこんがりながらご覧頂きたいと思います。
さて、新年のおとそで酔いも大分まわってきたようですので、これ以上くだらないことを書かないよう、これくらいで失礼致します。
本年もネッチ・ジャパンを宜しくお願い申し上げます。