DSC 204 F1 Phoenix示差走査熱量計
高感度なDSC測定により微小な転移の検出や微量測定に対応
DSC 204 F1 Phoenix
特徴
- 半導体センサー(μセンサー)を使用し、DSC検出感度 70μV/mWを達成
- 熱流束型では最速の時定数0.6秒を有するτセンサーも選択可能
- 高感度な比熱測定 (±2.5%以内)
- 最大-180~700℃の幅広い測定温度範囲
- UV-DSC、高圧DSC、QMS/FT-IRカップリングシステムなど多彩に対応


図は高感度なμセンサー(赤)と従来型のセンサー(緑、青)の熱量測定感度の比較になります。μセンサーの感度は従来型のセンサーと比べて15倍以上の感度を有し、微小な転移の検出や微量測定に用いることができます。
アクセサリ

サンプルカッター(MS)

中圧容器(左)/高圧容器(右)
アルミニウム容器(ふた付き)
各種アルミニウム容器対応シーリングプレス
3in1 Box
オプション
オートサンプルチェンジャー(ASC)

最大192サンプル対応
サンプルトレーは測定直前までに湿度など外部環境の影響を受けないようカバーが用意されており、ガスパージすることも可能です。
Photo-Calorimetry

Photo-DSC 204 F1 Phoenix は測定温度範囲 -100~200℃の範囲で光硬化ポリマーの特性 評価を行えます。
高圧水銀ランプ、Xe光源、LED光源各種に対応し、ユーザー指定の様々なUV機器とのトリガー接続が可能です。
高圧DSC

DSC 204 HP Phoenixは、真空から150気圧(約2140psi)までの圧力下、-50から600℃の温度範囲で試料の熱分析を行うことが可能です。
酸素、窒素、アルゴン、ヘリウム、水素、二酸化炭素、メタンなどの異なるガス雰囲気中での評価が可能です。
仕様
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- 型式名
- DSC 204 F1 Phoenix
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- 温度範囲
- τセンサー:-180 ℃ ~ 700 ℃
μセンサー:-150℃~400℃
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- 昇温/冷却速度
- 0.001 K/min ~ 200 K/min
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- 感度
- τセンサー:3μV/mW
μセンサー:70μV/mW
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- 測定範囲
- τセンサー:±750 mW
μセンサー:±35 mW
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- 精度
- 熱量 < 1 %
比熱 < ±2.5%
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- 冷却オプション
- エアーコンプレッサー(室温 ~ 700 ℃)
ボルテックスチューブ (<0 ℃ ~ 700 ℃)
イントラクーラー IC85 (-85 ℃ ~ 600 ℃)
液化窒素冷却 (-180 ℃ ~ 700 ℃)
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- 雰囲気
- 不活性、酸化性、大気、ガスフロー
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- ASC (オプション)
- 最大 192 個の試料+12個の参照物質に対応
アプリケーション
データ
高密度ポリエチレンの微小測定
DSC 204 F1(µセンサー)は検出感度が非常に高く、微小量でのサンプル測定も可能です。
左図は微小量(1.3µg、2.7µg、5.8µg)の高密度ポリエチレン(HDPE)を昇温冷却測定した結果になります。
1.3µg(赤)のサンプル量でも融解/結晶化のピークが検出できており、2.7µg(緑)、5.8µg(青)と比較しても再現性よく測定できていることが分かります。
緩衝溶液中のタンパク質の変性
緩衝溶液中のタンパク質の熱変性による吸熱反応のDSC曲線が左図に示されています。
本測定に使用した試料量(タンパク質+緩衝溶液)は約50mgで、微小熱量計で通常使用する量の1/10以下です。 μ-Sensorは高感度なので、このように試料量が少なくても、希薄な溶液(2 mg/l)でも吸熱ピークを明確にとらえております。昇温速度はいずれも3K/分です。
サファイアの比熱測定
左図はDSC 204 F1(µセンサー)を用いたサファイアの比熱測定の結果になります。
2つのサファイア(実線、赤・青)から比熱の温度依存性を求めたところ(破線、黒)、文献値(破線、赤)と比較しても精度よく測定できていることが分かります。DSC 204 F1では精度よく比熱測定が可能です。