STA 2500 Regulus高感度差動型示差熱天秤


天秤ビーム系に新⊿型天秤機構を採用し、低ドリフト、高感度かつ高温でも安定した測定を実現

STA 2500 Regulus

特徴

  • 新⊿型天秤機構により、TG分解能0.03μgを実現し、高温域でも低ドリフトで評価が可能。
  • Slip-onホルダーにより、試料容器、ホルダーはサンプルの特性に応じて、選択が可能。交換も容易に行えます。
  • 天秤部は真空密閉構造を採用し、オートバキューム機能を搭載可能。
  • 幅広い拡張性に優れ、GCMS、QMS、FT-IR、水蒸気各種対応。
  • 蒸気圧測定も可能です。

アクセサリ

STA 2500 Regulusには目的に応じた最適なシステム環境を整える、各種の付属品や別売品を用意しています。

Slip-on プレート(標準/大容量/耐腐食性)

各種容器(浅皿/深皿)

オプション

オートサンプルチェンジャー(ASC)

最大20検体対応

水蒸気発生装置

露点制御装置 HC 9800
露点-20 ~ 90℃の幅広い水蒸気濃度での高精度なTG測定が可能。測定温度範囲:RT~1500℃

 

湿度制御装置 HC 9700
湿度5~90%RH雰囲気下における高精度なTG測定が可能。測定温度範囲:5~80℃

真空度制御ユニット

0.1~280Paの低真空から中真空域における真空度制御下でのTG測定が可能

発生ガス分析装置(ガスクロマトグラフ質量分析計)

STA2500にMSを付加することによりTG-DTA-MSの同時測定を行うことが可能となります。

全自動真空置換ユニット(Auto Vac)

迅速な雰囲気置換と酸素濃度の低減が実現可能です。

試料観察

融解などの各温度における試料の状態をリアルタイムにカメラによる観察が可能です。

仕様

  • 型式名
    STA 2500 Regulus
  • 天秤方式
    上皿式差動型天秤
  • 温度範囲
    RT ~ 1100℃ / 1600 ℃ (加熱炉によって異なる)
  • 重量測定範囲
    ±250 mg
  • 試料重量
    最大1 g
  • 雰囲気
    不活性、酸化性、還元性、減圧、水蒸気
  • ASC (オプション)
    最大 20 個の試料/参照物質を自動処理

アプリケーション
データ

鉄の相転移

STA2500のDTAは高感度なため、弱い相転移も検出できます。また、全自動真空置換ユニット(Auto Vac)を使用すると低酸素濃度な測定雰囲気を作り出すことができます。
図は、純鉄試料を室温~ 1600 ℃ に加熱して行ったTG-DTA測定のグラフです。744 ℃ で起きた反応は、試料の磁性が変化したことを表しています(青曲線)。 908 ℃ と 1389 ℃ のピークは結晶構造の変化によるもので、1533 ℃(外挿開始温度)の吸熱ピークは融解によるものです[1]。TGAシグナルには質量損失が検出されていないことから、真空密閉構造であることと、試料が純粋物質であることが分かります。
[1] Das Techniker Handbuch, Grundlagen und Anwen- dungen der Maschinenbau-Technik 第15版 (Alfred Boge編、Vieweg Verlag社、1999年)

Super-Resモード (質量変化率調整)

スチレンブタジエンゴムのTG-DTA測定結果

スチレンブタジエンゴムは、耐熱性、耐摩耗性、耐老化性、機械強度等に優れ主に自動車用タイヤに使用されています。
図は、一定速度での昇温したデータとSuper Resモードを使用したデータの比較です。一定速度で昇温した場合は減量の起こる温度が近接し減量挙動を明確にすることが困難ですが、Super Resモードを使用する事により設定した速度で減量するように温度を制御する事が可能で、近接した減量を分離する事が可能になります。

有機EL層の昇華

大気圧および減圧環境下の α-NPD 測定

有機多層構造体の中には特殊な光学的特性や物理特性を備えるものがあり、これらはたとえば有機ELなどの新しい光電機器への応用可能性を生み出します。α-NPDは有機多層構造体の正孔輸送層です。
本装置は真空密閉構造であるため、減圧下でも測定が可能です。図は、減圧下で α-NPD の測定を行い、昇華温度が380 ℃ (大気圧、青曲線)から 240 ℃(減圧、赤曲線)に下がったことを示すグラフです。

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