netzsch 熱分析の最先端 » マスクを電鍋で洗浄してみた!その③ 電鍋の温度を調べてみた

マスクを電鍋で洗浄してみた!その③ 電鍋の温度を調べてみた

前回、電鍋でマスクの洗浄を試みまいたが見事に失敗してしまいました(前回記事:電鍋でマスクを加熱してみた)。前回の失敗を調査するため、電鍋の温度計測を試みました。

説明書には目安の温度として、予熱:80℃ 低温:100~130℃ 中温:150~180℃ 高温:190~220℃と書かれています。はたしてどのような温度曲線になっているのか、温度計(データロガー)を用いて電鍋の表面温度を計測しました。

 

Fig.1:予熱(目安温度:80℃)および低温設定(目安温度:100~130℃)時の電鍋の表面温度

 

低温設定(目安温度:100~130℃)時に最高温度が150℃にも達しています。この結果を見て「コノヤロー!!詐欺じゃないかー!!」とはなりません。なぜならこのような大きななべを短時間で加熱して温度コントロールするのは非常に難しいことを知っているからです。目安の温度も食材を入れた時を想定しているのかもしれません。いずれにしてもこの調理器具はマスクを乾蒸しすることは想定していないと思います。

 

皆さんはこの説明書の目安の温度を見て、このような温度カーブになると推測していませんでしたか?

 

Fig.2:電鍋の温度イメージ図

 

もし実際にこんな鍋があるのだとすれば、それはもう私の手の届く金額ではなさそうです。今回の目的はマスクを110℃で加熱することなのですが、運がいいことに私の購入した電鍋はこのようなつまみで温度設定を行います。

 

Fig.3:温度設定のつまみのイメージ図

 

このつまみは好きなところに位置を移動できます。もし予熱と低温の間につまみを設定して温度が真ん中あたりで安定すれば目標の110℃付近での加熱はできそうです。

 

Fig.4:予熱と低温の中間設定時の電鍋表面温度とマスク内部温度

 

設定温度を中間にしたところ、表面温度が下がることが確認できました。

また、マスクの折り目の中に温度計を入れ表面温度の比較も行いました。うまく設定つまみをコントロールすることにより、目標の110℃付近の加熱をすることができました。電鍋表面とマスク内部の温度の比較では若干マスク内部の温度のほうが高いです。これはマスク自体が断熱材のような構造をしているからだと予想されます。簡単に言うと電気毛布を敷いた上にお布団をかけているような状態となっています。

今回はデーターロガーを用いてこのようなグラフを調査しましたが、今回の読者様が温度を計測する場合は調理用の温度計で大丈夫です。私もインターネットで1000円程度の温度計を購入し温度計測をいたしましたが、温度計自体のずれはほぼありませんでした。(購入する際、温度範囲が100℃までのものでは計測できないので注意してください。)

 

Fig.5:調理用温度計を使った電鍋温度計測のイメージ図

 

ということで電鍋のつまみを調整して再度マスクの加熱を試みたところ、外観上はマスクの収縮もなく無事加熱することができました。我が家の電鍋のつまみにはマジックで110℃になる部分にしるしをつけています。

 

さてここで疑問が残ります。前回の設定で収縮が起きたり起きなかったりしてた現象がありました(前回記事:電鍋でマスクを加熱してみた)。おそらく、きちんと伸ばして電鍋の底にぴったりと入れて加熱した場合と、そのままふわっと入れて測定したのかの差であると推測されます。そこで電鍋の表面から1cm程度浮かした部分での温度計測を行いました。

 

Fig.6:低温設定時(目安温度:100~130℃)の表面と1cm上部の温度比較

 

1cm程度上の空気層部分はやはり温度が約10℃低いです。前回の実験ではそこはあまり注意していなかったこと反省します(いつも実験は失敗ばかりの筆者です…)。ただこの実験から分かるとおり、マスクを入れる際は鍋にきちんと接触している状態で洗浄するのが良いと思います(参照したニュースにもそう書いてあります。)。

 

最後にこの結果を見て思ったことがあります。我が家の電鍋は温度設定が可能ですが、例えば温度設定のできない電鍋やホットプレートなど使用した場合はどうすればよいのか?

 

ということで電鍋の中にお皿を入れて、熱の伝わりを悪くしてみました。

 

Fig.7:電鍋にお皿を入れたイメージ図

 

Fig.8:低温設定時(目安温度:100~130℃)の表面温度とお皿表面温度

 

お皿を電鍋の中に入れてお皿の表面温度を計測すると、温度上昇速度は遅くなりますが、表面温度がかなり低くなっています。この方法を用いれば温度設定のできない電鍋やホットプレートにも活用できるのではないかと考えております(都合の良いお皿があれば…)。もし電鍋で加熱洗浄をするのであれば温度計は必需品であると思います。

 

最後に本実験はマスクの洗浄効果を保証するものではございません。メーカーも再利用は推奨しておりませんので、皆様の責任のもと実施してください。いち早くマスクの供給が間に合うよう祈っております。

 

さて今回の実験では目視のみの収縮の確認でしたが、次回は実際にマスクが温度でどのように収縮するかを調査いたします。

 

(次回)マスクって何度くらいで縮むの?
 

 

 
マスクを電鍋で洗浄してみた!関連記事
その① 耐熱温度は何度?
その② 電鍋でマスクを加熱してみた
その③ 電鍋の温度を調べてみた

 

 

ページトップへ