まだクリンプですか? | netzsch 熱分析の最先端

まだクリンプですか?

2019.12.12


皆様こんにちは。ネッチ・ジャパンの篠田です。今年も皆様大変お世話になりました。


我が社でも、社員に感謝ということで、今年は社員旅行を催しました。
但し、実際に行ったのは2カ月も前だったのですが、台風であちこち被害が出ている中、石垣島社員旅行の話題も不謹慎かと思って、今さらブログのネタにする次第であります。
社員旅行といっても、上司に気をつかうのではつまらないですから、夕食会を除いては基本自由行動にしたら、めいめい勝手に楽しんでいました。
10月でも石垣島では海で泳ぐことができて、立ち泳ぎしながら、ぼーっと、エメラルドグリーンの海と、遠くの波濤を眺めていると毒気が抜けていきます。
オプションでいろいろ体験することができて、天体観測、朝ヨガと、三線をやってみたのですが、一番緊張したのは三線、三味線でした。課題は「花」、楽器を触ったことがほとんど無い私が、1時間でこれを通しでやるっていうのですから大変です。
(♪水は流れてどこどこいくの~ 人は流れてどこどこいくの~)
初めて聞いた歌ですが、なかなか良い曲です。どこかで聞いたことがあったな、と思ったら、「流浪の旅」でした。
(♪流れ流れて落ち行く先は、北はシベリヤ、南はジャバよ)えっ、全然似てない? そもそも知らない?
もう一人トライした社員は楽器の経験のある方でしたが、私の方から流れてくる音にかく乱されて、なかなか苦労していました(笑)
そんなこんなで、夕食会の会計のとき以外は、ほっておかれた社長ですが、皆様勝手にお楽しみ頂けたみたいで何よりです。


社員旅行のご報告は終わりましたので、今日は久しぶりに熱分析の話をひとつ。


熱分析と言えば、DSCですが、どこの分析部門にもたいてい、DSCが得意な人、DSCの名人がいるものです。名人にとってもらうと同じ装置でも何故かきれいなデータが得られる、その種明かしのひとつに、試料容器の選択があります。その中で、クリンプ容器というものがあります。これを使うと、試料と容器の底面が密着して、熱が容器底面を通してすみやかにDSCの感熱板に伝わるので、シャープなシグナルがとれるのです。
ところが私は、このクリンプ容器というものが大嫌い。
第一に容器がゆがむ。ゆがむのでかしめたあとに、底面を平らにしたりして手間がかかります。第二に、薄っぺらになるので、オートサンプラーでつかめない。微調整すればできるのかもしれませんが、お客様にはすすめられません。
ところが、5年以上前でしょうか、ラボでクリンプ容器を使って、ベストデータを出したのですが、オートサンプラーも必要なので大問題になったことがあります。
そこで私が考案しましたのが、サイドシール方式です。
何のことはありません、バケツ形のアルミ容器を二つ重ねて、内径が同じ押し棒で押し込みます。そうすると側面でシールされ、試料も底面にしっかり押し付けられ、しかも高さがあるので、オートサンプラーでも使用できます。
クリンプ容器をしのぐ画期的な工夫だと思うのですが、ドイツ本社に報告したところ、しっかりパクられて、Slide-in 容器として新オプションになりました。ポリマー薄膜や粉末や繊維など、ベストデータを出してアプリケーションノートになっていたりします。


もうひとつ、我ながら画期的な工夫だと思うのは、金属薄膜のDSC用の容器です。
例えばアモルファス金属薄膜のガラス転移の測定とかはどう測定されますか?高温ですのでアルミ容器は使用できません。サファイアの円板をのせてやってみたりしたけれど、薄膜のそりの力に負けてうまくいきません。
さんざん試行錯誤したあげく、うまくソリューションを見つけました。
まず白金容器の中に金属薄膜を何枚か重ねて入れ、サファイアの円板を入れます。その中に白金のワイヤで筆記体のL状に加工した、一種のばねを入れ込みます。これがサファイア板を押し込んで、容器側面で支えるので、高温まで金属箔が底面に押し付けられるわけです。十数年前のことですが、大学の先生のデータに役立ちました。


サイドシールは簡単ですので、是非一度お試し下さい。


さて、本年も残すところあとわずかとなりましたが、皆様お風邪など召されないよう、体調に気を付けてお過ごし下さい。
今年も大変お世話になりました。来年もネッチ・ジャパンを何卒宜しくお願い申し上げます。

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