暑中見舞 ~鍛錬の夏~

2022.08.10
 こんにちは。ネッチ・ジャパンの篠田です。暑い日が続きますが、皆様元気でおすごしでしょうか?
本来ならば、先週と今週と、ドイツ、オーストリア出張の予定で、ヨーロッパにいる予定だったのですが、直近の新型コロナウイルスBA5株の急速な広がりで、急遽デジタルミーティングに変わってしまいました。 デジタルミーティングになると、やはり英語ペラペラの欧米圏の人が有利で、中には若干中身の薄い話を延々と得意げに話す人もいて、そういうときは、短時間カメラをOFFにして、きつねダンスを同時に見ていたりします。(きつねダンスの元ネタって、映画「ジャッジ」のきつねのCMダンスだと思います。) 英語圏の営業の方は、プリゼンだけは鍛えられているのが多くて、その点はかなわないなあ、と思うのですが、訥弁でぼそぼそプリゼンする自分のスタイルは、ずっと貫いて参りました。それでも、私を昔から知っている人は、所々で隠してあるブラックなネタで笑ってくれます。  それはさておき、ウクライナの戦争が終わりません。侵攻の開始となったのは、約半年前の2月24日だったでしょうか?この数時間前に、あるところに、ウクライナとロシア間の戦争は避けられないとの緊急メールを打っておりました。私は甲賀忍びの末裔でもあるせいか、ことこういうことには鋭敏なのです。メールの中で、長期化も予想していて、終結のための鍵も書いてあるのですが、世の中ではそのようなコメントは一切なさそうです。ちなみに甲賀は「こうか」と呼びます。伊賀が体術にすぐれていたのに対し、甲賀は薬などの化学系にすぐれ、今でも滋賀県のほうに医薬品のメーカーが多いのはその影響とよばれております。ネッチは、最近医薬品の熱分析にも力を入れておりますが、還暦近い年の割に意外とすっと頭に入るのはそのためかも知れません。  ロシアのウクライナ侵攻で良く出てくる都市名でハルキウというのがありますが、むしろロシア語読みのハリコフというのは、思い入れの深い名前で、第2次世界大戦の後半に、クライスト将軍が、ソ連軍に対して「後手の先」をとって大勝利をあげた戦いの場でもありました。今回の戦いでもあわやキエフ(キーウ)陥落かと思われた局面もありましたが、ウクライナ軍が後手の先をとって、供与された最新兵器で巻き返すことが多いように思われます。ロシア軍(兵器)の思いがけないしょぼさに、一番危機感を感じているのはおそらく中国で、中越戦争以来のショックを受けているのではないかと思います。  世の中が大変なときに読み返して勇気を得る本のひとつに、「森繁自伝」があります。往年の名優「森繁久弥」さんの自伝で、確か最初は週間朝日に違う題「人間望艶鏡だったかな?」で連載されていたと思います。その中に満洲引き揚げの悲惨きわまる話が書いてあって、ソ連の時代からロシアの暴虐ぶりは全く変わっていないな、と思います。およそ日本の民間人が歴史上経験した中で、満蒙開拓団の引き揚げ時の殉難ほど悲惨な事は無いと思いますし、その大変さに比べれば、何ていうことはないという気持ちが沸き上がります。「森繁自伝」はおすすめです。 「戦争景気」という言葉がございますが、幸いわが社は軍事とはおよそ無縁で、特需が無いのは有難いことです。世の中に、戦争で儲けるほど陰徳を失うことはないからです。ただ、頭が痛いのは、おそらく世の中の多くのメーカー同様、半導体不足による納期遅延をいかに回避するかで、戦争開始前からそうだったのですが、ウクライナ侵攻が物流を含めて、悪い状況に拍車をかけました。ネッチ・ジャパン、ネッチ本社はかなり以前から思い切った手を打っていて、おそらくかなり納期をキープ出来ている方だと思いますが、それでも数が出ない真空関連などは、大きな影響を受けています。早く、この戦争だけでも終結してほしいと祈るばかりです。  結局、この状況の中でいかに生き残るか、サバイバルの話に戻ってくるのですが、代替手段・装置・部品、などいかにフレキシブルに、ソフトを含めて迅速に対応可能か、ということが鍵になると思います。この状況ですので仕方がない、という無策の企業はおいていかれます。 そのために必須なのは、基礎学力だと叫び、来週からのお盆休みを、自らは休みとよばず「夏季鍛錬期間」と名付け、大学生の息子の教科書を借りて勉強にいそしむ老頭児であります。 では、今回はこれくらいで。 今後ともネッチ・ジャパンを宜しくお願い申し上げます。Stay Healthy!
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