育てよ!カメ 注1)
こんにちは、ネッチ・ジャパンの篠田です。
先週は、社員旅行で宮古島に行って参りました。お客様へのサービス向上のため、社員の士気を高めることも大切のですので、ご容赦頂きたいと存じます。
昨年はシンガポールでしたが、片道7時間のフライトで禁煙のせいか参加者が半分程度にとどまりましたので、近場に回帰したところ、社員の皆様とご家族併せて五十人参加の、なかなか賑やかな社員旅行となりました。宮古は人気スポットで半年前に予約が必要ですので、天候だけは運まかせでしたが、これも恵まれラッキー。
初日は全員参加のサンセットクルーズ、伊良部大橋をくぐり、浅瀬に近づくと船底の窓から珊瑚と熱帯魚を眺め、見事な夕日を眺めながらのディナー。暮れなずむ宮古港の沖、水漬く燕に合掌。注2)
帰港するころには甲板に上がって海風に吹かれながら満天の星をながめて感動ひとしきりでした。お子さん方にも忘れられない一夜となったのではないでしょうか?
翌日は、自由行動で、皆様全島に散らばって、それぞれ満喫しておられましたが、わが社の乙姫様達もシュノーケリングで海亀に遭遇して喜んでおりました。
元気の良い諸君は、サイクリングや徒歩で島をめぐったり、レンタカーを借りて東洋一のビーチといわれる前浜ビーチに泳ぎに行ったりしておりましたが、私は家族と「LeaLeaTrip宮古島絶景一日バスツアー」へ。
東平安名崎から始まって、来間島、伊良部島、下地島、最後は北端の池間島から戻って雪塩ミュージアムで雪塩のお土産!ここで館員の方に15分の雪塩のプリゼンがあるのですが、これが面白く、雪塩のおいしさを最大限に生かすコツを伝授して頂きました。
雪塩の製法も興味深く、うろ覚えながらですが、まず宮古島の地下海水をくみあげ逆浸透膜にかける。通常は淡水を取り出すためですが、この場合欲しいのは濃縮された海水です。宮古島は珊瑚礁が隆起してできた島ですし、珊瑚には浄化作用があるのできれいな海水が得られるのだと思います。それを、斜めにたてかけた百数十度に熱した鉄板に滴下すると、雪塩が得られる。面白いとおもったのは、ニガリ成分(塩化マグネシウム)は取り除かなくても、鉄板の温度によって、できた塩に苦みを感じなくなるのだそうです。
海水の成分そのままですので、溶かせばそのまま海水となり、海の魚が泳げる。吸湿性がありますので、おいしく食べるこつがあります。水を吸って固まっても決して熱を加えてはいけない。不可逆反応ですね。これは熱分析にかけてみたい衝動にかられます。にがみを感じなくなくメカニズムなど、つきつめればイグノーベル賞のネタになるかも?(ちなみに日本人のイグノーベル賞受賞数は世界ランキング3位ですからたいしたものです)
パウダータイプと粒タイプがあるのですが、パウダータイプを10個も衝動買いしてしまいました。
以前「包丁人味平」注3)という料理ものの漫画が連載されていましたが、その中で塩と水だけを用いた料理対決というのがありまして、子供ながらに(えーっ)と思ったのですが、今にして思うと深い話です。塩といっても雪塩ならば違うだろうし、水の世界も大変深い。今後の熱分析の大きなテーマです。ちなみに、日本は基本軟水ですが、宮古島の水は硬水だそうです。
しめくくりにガイドさんが、宮古民謡の豊年の歌を歌って下さいました。意味は全く解らなかったけれど、何か胸にしみるものがありました。晩に三針を聞かせる居酒屋にいったのですが、豊年の歌をリクエストしたところ、宮古の方ですか?と聞き返されました。歌の由来を聞いたところ、人頭税といって、宮古・八重山には琉球王府から過酷な税を課されたつらい歴史があるとのこと。大津波や、270年もの酷税を経験した、八重山・宮古島に、その分平和で安全に暮らしが続くことを願ってやみません。
この美しいエメラルドグリーンの海を泳ぐ亀に会いに、いつかもう一度宮古を訪れたい今日この頃です。
今後ともネッチ・ジャパンを宜しくお願い申し上げます。
*注釈*
注1) この題名は、初代「ウルトラマン」の前に放映された、空想特撮シリーズ「ウルトラQ」のエピソードの一つの題名からとったものらしいが、ブログとの関係性は不明である。こちらにも怪しい「乙姫様」が登場しているためかも知れない。ちなみに私も海亀君に遭遇した乙姫様のひとりである。
注2) 今を去ること八十年前、昭和二十年に宮古港沖で撃沈された、日本海軍の軍艦、敷設艇「燕」のことをいっているらしい。普通、本当の燕が浮いていたとだと思うと思う。
注3) 「美味しんぼ」のスピリッツでの連載開始をさかのぼること十数年、70年代に少年ジャンプ誌で連載された料理物の漫画とのこと。塩と水だけを用いた料理対決では、味平から滴り落ちる汗で塩の塩梅が最適となり、勝利したとのことであるが、現代の食品衛生上信じがたい。