誰も見知らぬ道
こんにちは、ネッチ・ジャパンの篠田です。
激動変革の令和七年、早くも年の瀬となりましたが、皆様におかれましては大変お世話になりました。来年もなにとぞ宜しくお願い申し上げます。
さて、先月は防衛産業における熱分析ビジネスに関して少し(?)コメントさせて頂きましたが、いよいよ世界中がキナ臭くなってまいりました。
そんな中、ドバイで開催されたネッチのマネジャー会議に参加して参りました。私も昭和のおやじですので、ドバイ→アラビア→ハーレムという連想が先立って、行く前に「ハーレム、ハーレム」と連呼して女性社員の失笑を買っておりましたが、いざ行ってみれば、なかなかのものです。
昨年のシンガポール社員旅行で、東京はとうに世界の最先端から取り残されているのは解っておりましたが、八百メートルもあろうかという高層ビル「ブルジュ・ハリファ」の一面がモニターになって(プロジェクションではない)、映像が映し出され、150mの噴水が立ち上がっているのを見て、水流が遠くまでまとまって飛ばない説明が書かれており、「ファインマン物理学をもう一度読み返そう」と思いました。砂漠の真ん中なのにとにかく水に不自由なく、「これは日本の技術の貢献によるものなのは、誰が解っているだろう。」と思いました。弊社のDSCの長年のユーザーである東大のK先生のところに先日表敬訪問させて頂きましたが、先生の研究がこの技術に役立っていることをお聞きして大変誇らしく思いました。
会議の初日、amazonで購入したクーフィーヤを自己流で巻いて、会議室に朝一番、最前列に座っておりましたら、各国の責任者が私を見てなぜか爆笑しておりました。各国の経済状況も厳しい中、少しでも会議の雰囲気を和らげようと思ったのですが。
オフでは、皆で砂漠に行って、らくだに乗ったり、ランドクルーザーで砂丘を走り回ったり(現地のプロのドライバーでないと危険です)、夜には星空の下、ファイヤーダンスやベリーダンスを鑑賞したりと、今までで一番楽しむことができました。
ランドクルーザーでは、砂丘を走る場合、タイヤの空気をわざと抜くんですね。そうしないと横転してしまう。
ドイツの友人に、あらかじめお願いしていたことがありました。「砂漠で一度“パンツァー・リート”の本場の歌い方を教えてくれ」と。ドイツ語の歌詞まで印刷して持っていき、ドイツ人だけの車に乗って歌っていました。そのせいか、防衛関連のトピックでは、私をこれ関連の「世界のマネジャーにしよう」という声も上がり、固辞致しました。だって、敵に塩を送ることはありませんからね。“パンツァー・リート”の一番好きな部分は、この箇所です。
Wir suchen uns Wege,
Die keiner sonst fand.
我らは進む我が道を。誰も見知らぬその道を。(篠田訳)
映画「バルジ大作戦」でも歌われていたのだけれど、ずっと1番の繰り返しでした。
会議はそのものは紛糾し、予定されていた私の1時間のプリゼンは次回へと先延ばしになりました。予定していたタイトルは、”Navigating Tomorrow.”。
私が選んだテーマは、ヘリオトロン方式核融合とか、MOFとか超高機能フィブロインファイバーとか、レアアース代替技術とか、AM技術とか、ガス光学素子とかいろいろ。次回は”Navigating Tomorrow.”の次に、“tomorrow belongs to me.”って続けようかなって思います。古い映画で、どうせ通じないし。
サーチャージがかからないので、ドバイまで往復20万円ちょっとです。親日ですし、お薦めの国です。
では、皆様良いお年を。







