DSC 214 Polyma示差走査熱量計


高速昇降温(500℃/min)が可能、プロセス評価に対応

DSC 214 Polyma

特長

  • 低熱容量アリーナファーネスを採用し、熱流束DSCでは不可能だった最大加熱・冷却速度500℃/minを実現
  • ConcavusR容器とリング状の高速応答コロナセンサーの組み合わせにより、常に均一な接触・再現性の良い測定が可能
  • インジウム反応比率が100mW/℃以上でも検出可能
  • サンプルの柔らかい、硬い、脆いに関わらず容易に切断可能な専用サンプルカッターをラインナップ

セルデザイン

  1. 1アリーナファーネス
    幾何学的な楕円形状で、加熱炉を軽量化し、昇温・冷却速度が速くなりました。対称的なデザインで均一な温度分布になります。
  2. 2コロナセンサー
    高分解能センサーは再現性と頑丈さを持ち合わせています。
  3. 3Concavus®容器
    コロナセンサーと組み合わせる事で、常に均一にリング状に接触します。

アクセサリー

サンプルカッター

新しいサンプルカッターは、サンプルが柔らかい、硬い、脆い(もろい)等に関わらず、サンプルを容易に簡便に切る事ができます。

3in1 Box

Concavus®容器容器の良質な品質を保ったまま、運搬・保管が可能になりました。96個の容器と蓋を別々に保管する事が出来、帯電防止ボックスでパッケージしています。

仕様

  • 型式名
    DSC 214 Polyma
  • 温度範囲
    -170 ℃ ~ 600 ℃
  • 加熱/冷却速度
    0.001~500K/min
  • デジタル分解能
    0.25μW
  • 感度
    3μV/mW
  • 測定レンジ
    ±750mW
  • 熱量精度
    < 1 %
  • 冷却オプション
    • ・強制空冷(室温 ~600℃)
    • ・イントラクーラー IC40(-40~600℃)
    • ・イントラクーラー IC70(-70~600℃)
    • ・液化窒素(-170~600℃)
  • 雰囲気
    不活性、酸化性、大気、ガスフロー
  • パージガス/保護ガス用MFC
    3系統内蔵(0~250ml/min)
  • ASC (オプション)
    最大 20 個の試料

アプリケーション
データ

不飽和ポリエステルのガラス転移と硬化反応

温度変調DSC(TM-DSC)は、直線的な昇温プログラムに周期的に変化する温度プログラムを重ねて測定を行うDSC手法です。温度変調DSCでは、可逆的または非可逆的なシグナルを計算することで、オーバーラップしたDSCピークを分離することができます。これによってガラス転移と硬化、分解、蒸発、緩和、冷結晶化などを分けることが可能です。図は、不飽和ポリエステル樹脂の硬化を測定したグラフです。1度のTM-DSC測定で、硬化発熱とガラス転移を分離することができます。

半結晶性熱可塑性プラスチックの等温結晶化

等温結晶化テストは製造工程(射出成形等)で完成したポリマーの急冷をシミュレーションする為によく使用されます。図は、イントラクーラーIC70と組み合わせたDSC 214 Polymaを使用して30wt/%のグラスファイバー含有のポリアミド(PA)66の等温結晶化の実験結果です。低熱容量のアリーナファーネスは約60Kを約21秒で急冷(冷却速度:約170K/min)。これに基づき、PA66の融解開始から急冷を行い、結晶化を検出することが可能です。

コロナセンサーとConcavusR容器による優れた再現性


DSC 214 PolymaではConcavusR容器をフラットなコロナセンサーで使用すれば、常に均一な接触を得ることができ、再現性の良い測定することが可能です。図は、ポリプロピレン(PP)を従来の容器(上図)とConcavusR容器(下図)で置き方を90度ずつ変えて4回測定した結果になります。(2nd Heating, 10K/min)従来の容器では置き方によって容器とセンサーの接触の仕方が変わり、得られるデータにバラつきが見られるのに対し、ConcavusR容器の測定ではバラつきはほとんどなく、再現性の良い測定ができていることがわかります。

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