STA 449 F1/F3 F5 Jupiter シリーズ熱重量/示差熱同時測定装置


熱重量測定(TG)、示差走査熱量(DSC)の同時測定が可能

STA 449 F1/F3/F5 Jupiter

特徴

  • 互換性のある2 炉体交換システムを構築し、幅広い温度に対応。
  • TG 分解能は0.025μg (25ng) を実現し、1400℃ hold での安定性は1μg/h を達成(STA 449 F1)。
  • TG 測定レンジ35g 容積 5cm³、大容量測定に対応。
  • 高温比熱測定(~ 1400℃) を不確かさ2.5% 以下で測定可能。
  • 新開発のOTS システムにより酸素濃度1ppm 以下で測定可能。
  • 21 CFR Part 11対応

アクセサリー

STA 449には、目的に応じた最適なシステム環境を整える、各種の付属品や別売品を用意しています。

各種容器

各種サンプルホルダー

オプション

オートサンプルチェンジャー(ASC)

最大20検体対応

水蒸気発生装置

露点制御装置 HC 9800
露点-20 ~ 90℃の幅広い水蒸気濃度での高精度なTG測定が可能。測定温度範囲:RT~1500℃

 

湿度制御装置 HC 9700
湿度5~90%RH雰囲気下における高精度なTG測定が可能。測定温度範囲:5~80℃

 

※STA449F1/F3のみ対応

発生ガス分析装置(ガスクロマトグラフ質量分析計)

STA 449 JupiterにMSを付加することにより、TG-DTA-MSの同時測定を行うことが可能となります。

全自動真空置換ユニット(Auto Vac)

迅速な雰囲気置換と酸素濃度の低減を実現可能

仕様

  • 型式名
    STA 449 F1/F3/F5 Jupiter
  • 天秤方式
    上皿式絶対型天秤
  • 温度範囲
    -150 ~ 2400 ℃ (加熱炉によって異なる)
  • 最大試料重量
    F1:5 g
    F3・F5:35 g
  • 雰囲気
    不活性、酸化性、還元性、減圧、水蒸気
  • ASC (オプション)
    最大 20 個の測定試料/参照試料を自動処理

アプリケーション
データ

二酸化マンガンの還元

化学分野では通常、二酸化マンガン(MnO2)は酸化剤として使用されますが、電池の負極材料などにも応用されています。 STA測定から、約 600 ℃ で MnO2 →Mn2O3、約 950 ℃ で Mn2O3 → Mn3O4 という還元変化が起き、質量が減少していることが分かります。 9.20 %、3.07 % という値は化学式に一致しており、天秤システムがきわめて正確であることを示しています。還元反応が起こったときDSCでは、それぞれ 432J/g、180 J/g のエンタルピーを伴う吸熱ピークを検出しています。1201 ℃ 出の吸熱ピークは、冷却中(破線)に1148 ℃で起きたピークに対し、 Mn3O4 が可逆的に構造変化したことによるものです。

高純度サファイアの超高温測定

上図は、高純度サファイアをタングステン加熱炉により 2100 ℃ まで測定を実施したTG-DTA測定結果です。蓋つきのタングステン容器で測定を行い、 2054 ℃ (外挿開始温度)で融点を検出できております。サファイアの融解熱量からWRe製TG-DTAセンサーのヘリウム雰囲気下での熱量感度は0.049 μV / mW と計算することができます。また、溶融状態での純物質のTG曲線(緑)には重量の変化が無い事が確認できます。

PETの大容量測定

PET:ポリエチレンテレフタレートは飲料容器として知られるペットボトルなど多用途な熱可塑性樹脂として知られています。左図は、PETフィルムを約 600 mg 大容量容器(5.0 ml)に導入し、He雰囲気下、EI法にて融点前の 250 ℃ まで測定を行った結果です。大きく 2 段階の重量減少が確認でき、1 段階目(130 ℃)の重量減少 0.0108 %では自由水の脱離、2 段階目(250 ℃)の重量減少0.0104 % ではPETの原材料である安息香酸ビニル、エチレングリコール、炭化水素の脱離が確認できます。大容量容器での測定以外では測定出来ない微量TG-MS測定結果です。

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