DTA温度校正手順について | netzsch 熱分析の最先端

DTA温度校正手順について

2021.01.12

標準試料のDTA測定

標準試料の選択

アクセサリ付属の標準試料としては、以下の試料が入っています。

No. 標準試料 元素記号 融点 / ℃
1 インジウム In 156.6
2 スズ Sn 231.9
3 ビスマス Bi 271.4
4 亜鉛 Zn 419.5
5 アルミニウム Al 660.3
6 Au 1064.2

最低3種以上のDTA測定が必要になります。標準試料の種類が多いほどより確度の高い温度校正ファイルが作成できます。

測定準備

本例ではインジウム、スズ、アルミニウム、金を使用した校正例を紹介します。

選択した標準試料を10mg程度秤量します。

秤量した標準試料を容器のできるだけ中央にセットします。

TG/DTAセンサーのリファレンス側に空の容器、サンプル側に標準試料入り容器をのせます。
容器もできるだけセンサーの中央にセットします。

DTA測定

校正測定に使用する雰囲気、昇温速度は本測定で行う条件と同一にする必要があります。校正測定では温度補正を行わないので、Temperature calibrationで「will not be used」を選択します。Sensitivity calibration(感度校正)も「Will not be used」を選択します。校正測定はサンプルモードで行います。

昇温測定での融解ピークを使用します。昇温測定は2回以上行い、校正ファイルの作成には2回目以降の昇温測定データを使用します※一回目の昇温測定は標準試料を一度融解させ標準試料と容器の接触状態を良くするために行います。
STC設定については1(使用)を選択してください。※ON/OFFどちらでも測温値に影響はありませんが『STC Off』では昇温の上限温度(本例では1150℃)を、ガス種に応じて高く設定する必要があります。

例として図にAuの融解ピーク(昇温2回目)を示します。On-Setボタンを押して解析を実行。各標準試料のOn-set温度(融解温度)を読み取ります。この値(左図の1049.1℃)を校正ファイル作成に使用します。
各標準試料の測定が終了したら解析プログラム『Proteus Thermal Analysis』を起動させて測定データを読み込みます。

温度校正ファイルの作成・適用

温度校正ファイルの作成

校正ファイルも解析プログラム『Proteus Thermal Analysis』を使用して作成します。

解析画面上の『Extras(その他)』をクリックしプルダウンメニューから、『Temperature Calibration(温度校正)』をクリックすると新しいプログラムが立ち上がります。

立ち上がった画面上の『File(ファイル)』からクリックしプルダウンメニューから、『New(新規作成)』をクリックします。

校正のためのDTA測定時に使用した Atmosphere(雰囲気ガス)、Heating Rate(昇温速度)を入力しOKを押します。本例ではN2を使用し、昇温速度は10K/minで測定しています。

次に上図のウィンドウが表示され、19種類の標準物質とその融点が表示されます。校正で使用した標準試料以外は1番左側の番号を『右クリック』→『Delete』で消去します。

Temp. exp.の欄にDTA測定で評価したOn-setの値を入力します。Calculate quadratic approximationボタンを押すと校正ファイルが計算、作成されます。Mathematical weightはfitting計算の際の重みづけを決める数値で、推奨値はInで10、その他は1です。

Graphボタンを押すと融点基準値と測定値(DTAで評価On-set)の差の温度依存性が表示されます。赤線が算出されたfitting曲線で、このfitting曲線に基づき測定データの温度校正が行われます。

File→Save Asをクリックして名前を付けて校正ファイルを保存します。(ファイル名に雰囲気ガスの種類、昇温速度、日付、試料容器の種類などの情報を入れておくと便利です。)本例では雰囲気ガス:N2、昇温速度:10K/min、日付:2017/3/27、試料容器:Deep Almina容器なので 例えば“N2-10K-170327-D-Alumina”というファイル名に設定します。

温度校正ファイルの適用

本測定(目的とする試料測定)の際に、Measurement Definitionウィンドウの下記HeaderタブにてTemperature calibrationのwill be used(selected)を選択して、Selectボタンをクリックします。校正測定に使用する雰囲気、昇温速度は本測定で行う条件と同一にする必要です。

これで今回作成した温度校正ファイルを使用して温度補正した測定が行われます。

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